犬猫の飼い主探し活発 安易な飼育放棄、後絶たず 愛護団体が譲渡会 県は仲介HP開設
2009 / 01 / 11 ( Sun )
 飼い主から引き取られたり、路上で捕獲されたりして保健所や動物管理センターに収容される犬や猫は県内だけで年間約1万2000匹。ほとんどが殺処分される命を救う取り組みが、県内で広がっている。愛護団体は譲渡会を積極的に開催、県もインターネットを使った譲渡仲介を始めた。ただ、現状改善は結局、飼い主のマナーにかかっている。 

◆2年弱で200匹救済

 先月上旬の日曜日の朝、長崎市の市公会堂前広場に犬や猫を連れた人が集まってきた。ボランティア団体「R&G長崎の保健所の命を守る会」が毎月同市内で開いている譲渡会。この日は犬と猫計24匹の新しい飼い主を探した。

 「このままじゃ、行き倒れるか殺されるかでしょう」。長崎市内の主婦(57)は足元でしっぽを振る母犬と子犬2匹を心配した。前日、自家用車で佐賀県嬉野市を走行中、3匹が国道沿いに捨てられているのを見つけ、保護。すでに犬を飼っていたため、新たな飼い主を求めて参加した。

 譲渡会は2007年4月にスタート。ボランティアが保健所から引き取ったり、捨てられた犬猫を保護した人が持ち寄ったりした犬猫はこれまでに約500匹。このうち約200匹の譲渡を成立させた。この日は24匹のうち7匹が新たな飼い主に巡り合うことができた。

◆アクセス増に課題

 県生活衛生課によると、殺処分された犬猫はこの10年間でほぼ半減。しかし「引っ越すので不要になった」「生まれた子の面倒を見られない」など、安易な理由の引き取り依頼は後を絶たない。

 県は昨年策定した動物愛護管理推進計画の一環として11月、県が管理する保健所に収容した犬猫の情報をインターネットで開示し、引き取り手を探すホームページ(HP)「動物愛護情報ネットワーク」=アドレスはhttp://animal-net.pref.nagasaki.jp/=を開設。昨年末までに掲載された220件のうち、43件が飼い主の発見や譲渡につながった。不特定多数に呼び掛ける効果は着実に上がっているが、2カ月間のHPへのアクセス件数は約1万900件にとどまる。同県生活衛生課は「認知度はまだ低く、周知を図りたい」としている。

◆18日も譲渡会開催

 1997年から動物の保護活動に取り組む「保健所の命を守る会」の浦川たつのり代表(32)は、県のHPについて「犬に市境は関係ないのに、(保健所の)所管が異なる長崎市の情報を掲載していない。紹介する情報ももっと充実させるべきだ」と指摘する。

 12月の譲渡会に猫を連れて参加した長崎市の女性(68)は過去約20年間に5回、自宅近くに捨てられていた猫を保護し、去勢や避妊の処置を受けさせてきた。動物愛護の取り組みは、こうした一部の愛好家や行政頼みの面が強いのが現状だ。

 犬や猫などの愛護動物を捨てる行為は、動物愛護法に罰則規定がある。また、去勢や避妊の処置を取られていないペットも多いという。動物病院で施術でき、費用は性別や大きさなどで1万5000‐3万円程度かかる。

 浦川さんは殺処分の現状を広く知ってもらおうと、希望者を募って長崎市の動物管理センターを案内している。「殺処分を増やすも減らすも、飼い主のモラル次第。少しでも多くの人に現状を認識してほしい」

 同会は18日、長崎市の同市民会館前広場で譲渡会を開催。譲りたい人は午前9時までに集合。譲り受けや見学の希望者は同11時から受け付ける。
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